スポンサーサイト

カテゴリー: スポンサー広告

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-- -- | トラックバック(-) | コメント(-)

日記(サマバケ、やみーさんと)

カテゴリー: エミリーの日記


昼間は熱い太陽が照り付けていただろうそこも、夜となれば涼しい風が感じられるほどになっていた。

浜辺には、昼間からいたのか自分達と同じように日が落ちてから来たのかはわからないがそこかしこに人々が集っている。

波の音と人々のおしゃべりの満ちた空間。

頭上を仰ぐと星がたくさん散らばっていて夜空に満月のような明るさをもたらしていた。



なぜ私が昼間に来なかったのかというと、力強い太陽が苦手なのと、海に入ることができない体ではあまり楽しくもないだろうと思ったからだ。

しかし聞いた話では夜には花火という面白いものがあるらしい。

その花火をやってみたいという好奇心から夜の浜辺にやってきた。


でもひとりじゃつまらない。

やみ兄さんを誘って、せっかくだからと用意した服を二人で着て。

どれくらいの人たちがいるのだろうと来てみると、思った以上に盛況だ。


ところどころに見知った顔もあり、挨拶を交わしつつ空いた空間を探す。

ほどなく開けた場所が丁度よくみつかったので、そこに腰を下ろした。



「エミリーは花火初めてですー。兄さんはやったことあるんですかー?」


「いやー…」


どうやらやみ兄さんも、知識としては知っているが実際にやったことはないらしい。

とりあえず持ってきた花火をいくつか取り出し、説明書どおりに蝋燭に火をつける。



「これを…えーと先を火につけるんですねー」



カラフルな紙を巻きつけた棒の先を火にかざす。



「わわ、危ないテすよ!」


「わ、すごいですー!」



突然勢いよく飛び出す火花に驚いた。

思った以上にいきなりだったので、正面にいたやみ兄さんがちょっと危なかった気がする。



しばらくするとだんだん慣れてきたので、他の花火も色々試して「キレイ」とか「スゴイ」など騒ぎながらも楽しんだ。

でも周りも似たようなものなので全然目立たない。

煙にまかれながら花火を持って走り出す子や、危ないと止めようとする人。少し離れだ場所で騒ぎを楽しそうに眺めている人。


(あ、夏ってこういうものなのでしょうか。)



ひとしきり楽しんだあと、花火の箱の隅にある一際地味で小さいものを手に取る。

棒というより紐のような感じだ。

聞いたところによると、この「せんこう花火」というものは最初でなく最後のほうに残してやらなければいけないらしい。

やみ兄さんにそのいくつかを手渡し、遊び方を説明する(これも聞きかじりなんですが)


火をつけて少しすると。

派手なものでなく、小さなオレンジ色の玉が掲げた花火の先にともる。

この玉をなるべく落とさないよう注意して、しゃがんだまま動いてはいけない、とも聞いた。

しゃがんで間もなく、オレンジの玉から火花のようなものが同心円状の空間にバチバチっと放出される。



「わー…」


「きれいテすねー」



しばらくすると、火花はなくなりジジッ…という鈍い音をたてる球(ブラックボールではない)のみになった。



「………」



小さな明かりに照らされてしばし二人とも無言になる。

もうすぐこの空間は終わってしまうのだ。

花は終わりがあるから美しいと言った人がいたけれど、花火も同じなのだろう。

それなら私はこの夏の火を目に焼き付けておこう。そうすれば、ずっと私の中で燃え続ける火を見ることができる。


そしてこの火のことを、パパに会ったら話そう。

きっと気に入る。

もしかしたら今度はパパと一緒に花火をすることになるかもしれないな、と思った。




そして今は、大好きな兄さんと二人。

花火は、きっと大好きな人とやるからとっても楽しいのだ。
スポンサーサイト
前ページ | | 次ページ











管理者にだけ表示を許可する
http://emilyandead.blog92.fc2.com/tb.php/105-f36c7afe
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。