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日記(小さな町、善良な人々)

カテゴリー: エミリーの日記



「ねえ、聞いた?ゴールドマンさんのところの」

「ああ、聞いたわ。可哀相に。まだ9歳だったんですってね」

「ゴールドマンさんも奥さんを亡くしてエミリーちゃんと二人暮らしだったそうなのに、エミリーちゃんまで、ねえ」

「事故だったそうだけど…むごいわね」







「まただ、これで三人目だな」

「ああ、しかも三人のうち二人がまだちっせえガキだ。哀れなことだな」

「森には近づかないように町の連中には注意してたんだが」

「まったく大した化けモンだよ。みろよこの爪あと」

「影を見た奴がいるらしいが熊よりでけえ真っ黒なヤツだとよ。この森にそんな魔物がいたって話は今まで聞いたことがねえ。いったいどういうことなんだろうな」

「わからんが注意しとくに越したことはねえ。女子供はとくにな。夜間の外出はやめとくように触れ回っておくか」







「ほ、本当だ、信じてくれ!俺は見たんだよ!あいつ…ゴールドマンの奴が墓地にいたんだ!それで、本当なんだ。…掘ってたんだよ!墓を!あれは、ジョーの墓だった!昨日埋葬したばっかりのジョーの墓だ!
なんでそんなことをするか…って?俺が聞きたいよ!わけわかんねぇ!たいしたもんは埋めてねえはずなんだ。掘ってもジョーの死体くらいしかねえよ…!
都会から来た偉い学者様だかなんだか知らねえが、あいつは普通じゃねえ!狂ってやがる!」







「また出たんですって…何でなんでしょう。嫌だわ、怖いわね…」

「私もよ、まだ小さい子供もいるのに…。
森に行かないようにっていっても聞かないのよ…、男の子でしょう?『化け物なんかボクが退治してやる!』って」

「ええ、安心して子供を遊ばせることもできないわ。早くどうにかしてもらいたいわね…」







「ほんとうだよ!ボク見たんだよ!エミリーがいたんだ!」

「何馬鹿なこと言ってるの、アレク。エミリーちゃんは可哀相だけど去年の冬に死んでしまったのよ。見間違いでしょう」

「信じてよママ!あのお屋敷の窓のところにいたんだ!すぐ引っ込んじゃったけどあれはエミリーだよ!」







「……うっ…うぅうっ、ふぅっ…ぐすっ……ふ、うぅ…」


「可哀相にね…」

「ああ…」

「本当にいつまでこんなことが続くのかしら…もう、嫌だわ…」

「どうしてこんなことになっちまったんだろうな…」

「あいつのせいだ…!」

「あいつ…?まさか、ゴールドマンのことか?」

「みんなも思ってたんだろ?あいつはおかしいって。墓場を掘り返してたって話もある」

「たしかに…。そういえば、あいつが娘をなくしてから化け物が出始めたんだよな」

「そもそも余所者だから得体が知れないと思ってたのよね…。エミリーちゃんはともかく、父親の方はほとんど町にも出てこなかったし」

「科学者だかなんだか知らねぇが、何を研究してたのかもわからねぇ。ああいった『化け物』の研究でもしてたのかもな…」

「まさか…。そんな恐ろしいことがあるわけないじゃない!」

「で、でも、あの人、娘が死んだから町の人間も殺してやろうとか考えてるのかも…」

「……………」






「パパー」

「なんだい、エミリー」

「うぅ、ごめんなさいー。さっき外を見てたとき誰かに見られちゃったかもしれないですー」

「それは困ったね。次からは気をつけるんだよ」



「…でも、大丈夫だよ。もうすぐここは引き払うんだから…」






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